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by 星野健一

年表 空海 文学作品




明治以降に刊行された空海を扱った作品の初版年・作家名・作品名を整理すると、次のようになる。単行本化や全集・選集への再録の情報は、初出が不明の幸田露伴と収録文献が紛らわしい千葉鼓堂の場合を除き、省略した。研究や読書に役立ていただければ幸いである。


明治42年(1909)

◎幸田露伴「文學上に於ける弘法大師」

※私が調べた限りでは、栂尾密道編『弘法大師と日本文化』(六大新報社、1929)で確認できる。

明治43年(1910)

◎須藤光暉『空海』、金尾文淵堂

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「弘法大師の内面」『雄弁』5(8)(1914)もある。

大正2年(1913)

◎松田竹の島人「弘法大師」『都新聞』4月1日〜9月6日

大正4年(1915)

◎渡辺霞亭『弘法大師』、霞亭会

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大正5(1916)年
◎渡辺霞亭『弘法大師御伝記』
『碧瑠璃園全集』の月報第8号の年表にあるのみで、版元は不明。

大正年(1919)

◎大河内翠山「弘法大師」『講談倶楽部』10月号

昭和年(1927)

◎大倉桃郎「弘法大師」『講談倶楽部』11月号


昭和5年(1930)

◎千葉鼓堂「弘法大師抄傳」(山本勇夫編『高僧名著全集 第二巻弘法大師篇』、平凡社)

※同前『高僧名著選集 第二巻』(1934)に再録。

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◎渡邊黙禅「弘法大師」『キング』3月号

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昭和9年(1934)

◎直木三十五「弘法大師」(『朝日新聞』1月5日〜2月19日)

◎武者小路実篤「空海に就いて」(『空海及び其他』、山本書店)

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◎岡本かの子「祕藏寶鑰より」「十佳心」「卽身成佛義より」等(『綜合仏教聖典講話』、交蘭社)

◎菊池寛「弘法大師」『キング』6

昭和10年の菊池寛「弘法大師」『日の出』十一月号及び菊池寛『仏教聖典を語る叢書 第12巻』、大東出版社との関係は未調査。



昭和26年(1951)

◎長与善郎「最澄と空海―シナリオ風脚本―」(『中央公論 文藝特集』(8))

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※そのほか、昭和31年に「弘法大師の人となり」(『大世界』11(9))も書いている。

昭和29年(1954)

◎丹羽文雄「弘法大師の末裔―高野山の苦悩―」『別冊文藝春秋』(39)

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昭和38年(1963)

西野寿二『空海』、理論社


昭和48年(1973)

◎司馬遼太郎『空海の風景』(『中央公論』88(1)〜89(12))

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※そのほか、昭和56年の「空海・芭蕉・子規」(『俳句』25(5)。赤尾兜子との共著)、昭和58年の「宇宙飛行士と空海」(『文芸春秋』61(10)。立花隆との共著)もある。


昭和59年(1984)

◎陳舜臣『曼陀羅の人 空海求法伝』、ティビーエス・ブリタニカ

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◎早坂暁『空海』、大和書房

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※同年に北大路欣也主演で公開された同名映画のシナリオである。漫画版も刊行されている。下記は映画台本、漫画。

映画製作側の資料を追加しました。

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◎松本清張「空海入唐の謎」「大都・長安」等(『密教の水脈をみる空海・中国・インド』、講談社)

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◎稲垣真美『空海』、徳間書店


昭和60年(1985)

◎寺林峻『空海 高野開山』、講談社

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※以降も、平成2年の『もう一人の空海』(春秋社)など空海に関連する作品を幾度も刊行している。


平成3年(1991)

◎榊莫山『空海書韻』、美術公論社

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              莫山先生なつかしい。。。。     


平成14年(2005)

◎三田誠広『空海』、作品社

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※そのほか、『謎の空海―誰もがわかる空海入門』(河出書房新社、2007)を刊行している。法華経をよく読んでおり、空海と法華経との邂逅に言及する珍しい作家。

平成16年(2007)

◎夢枕獏『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』、徳間書店

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※平成30年に染谷将太主演で公開された映画『空海 美しき王妃の謎』の原作である。夢枕獏は、エッセイ集『空海曼陀羅』(日本出版社、2004)の編著者や空海を主人公とした漫画の原作者を務め、自身の空海論『幻想神空海』(マガジンハウス、2014)も上梓している。


平成27年(2015)

◎高村薫『空海』、新潮社

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※初出は、連載「二一世紀の空海」(共同通信社)。平成29年には、徳島県立文学書道館で、「文学特別展 髙村薫の見た空海」が催された。


令和2年(2020)

◎服部真澄『小説空海 最勝王』、kindle




# by dreamingmachine | 2022-12-31 18:20 | 近代仏教研究