空海と近・現代の作家

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 空海について描いた・論じた近現代の作家については、林雅彦「弘法大師空海主要伝記資料目録」『解釈と鑑賞』66・5に付された「空海を描いた近・現代文学作品(小説)一覧」(https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000002-I5727578-00)、「小谷野敦公式ウェブサイト 歴史小説のすべて」(http://akoyano.la.coocan.jp/hisnov/d.html)、「エンサイクロメディア 空海」(http://www.mikkyo21f.gr.jp/kukai-archives/post-170.html)/(http://www.mikkyo21f.gr.jp/kukai-book/post-173.html)で多数確認でき、幸田露伴、武者小路実篤、長與善郎、岡本かの子、松本清張、司馬遼太郎、寺林峻、陳舜臣、榊莫山、早坂暁、夢枕獏、三田誠広、高村薫らの名が挙げられる(もれていたら教えてください)。寺林の作品群にかんしてはまだ読み切れていないのだが、各々特色があり面白い(いや特色を整理するのが面白いというべきか)。また執筆経緯(わからない人もいるが)も興味深い。個人的にはどうしても法華関連の記述が気になってしまって、「三教指帰」からして髻中明珠や竜女成仏の話に(前者はやや読み取りにくかったが)触れられており、以前少し読んだ限りでは「吽字義」「般若心経秘鍵」「秘蔵宝鑰」「弁顕密二教論」にも法華経への言及が見られたと記憶する。そりゃあ法華経くらい読んでて当たり前なのだろうが、私には意外だった。学術業績に通暁しているわけではないが、いったい、いつ、どこで読んだのかは、それこそ「空海の風景」的な問題なのかもしれない。この問題について取り組んでいるのは、上記の作家のなかでは三田だけである。幸田、武者小路も日蓮については書いている(管見では司馬もライシャワーとの対談で語ってはいるが)が、三田は長編小説や法華経の入門書を書いていて法華系の知識が違う(と私は評価している)。より網羅的に資料に当たれたら、この視角からも1本仕上げたい。
by dreamingmachine | 2020-05-09 18:15 | 現代宗教研究

研究者星野健一のブログ。


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